Magic Mouse2を静音化する方法 使う工具や分解修理の手順も紹介

修理

今回はApple Magic Mouse2のスイッチを静音スイッチに交換していきます。
初代Magic Mouseでも大まかな手順は同じです。

初めに言いますと難度はかなり高いです。

主な難所は3つあります。1つはマウスの開腹。もう一つは基板からスイッチを取り出すこと。最後はスイッチをはんだ付けするときです。

難易度
分解 やや難しい
はんだ作業 やや難しい

必要な工具

T4ドライバー

T5ドライバー

オープニングツール

カッター

はんだ用品

はんだごて

標準のコテ先もよいですが、私はJ型とK型のコテ先を使い分けてます。

J型は主にスイッチを基板にはんだ付けする際に使っています。曲がっている部分にはんだが乗ってくれるので片手で基板と部品を押さえながらはんだ付けするのに役立ちます。

K型は横にすると広範囲、縦で使うと局所的に使えるので、はんだ吸い取り線を使う時やピッチ間隔が狭い場合に重宝します。

無洗浄はんだ線

無洗浄はんだ線のメリット
・はんだ付け後のフラックス洗浄作業が不要になる。
・フラックス残渣による基板への悪影響が無い。

無洗浄はんだ線のデメリット
・他のはんだ線と比べるとやや高価。

はんだ吸い取り線

低融点はんだ

メルカリで販売されているものを使用しています。

低融点はんだ – メルカリ (mercari.com)

低融点はんだとは100度前後の低温でも溶ける特殊なはんだです。

はんだごてを離してもしばらくはんだが溶けたままなので、はんだ付けされた部品を取り外す際に役立ちます。

ポリイミドテープ

クリーニング用品

IPA

または無水エタノール

どちらも体に触れたり、揮発した蒸気を吸わないように手袋、換気をするようにしましょう。

IPAのほうが安価で汚れも落ちやすいので、私はIPAを使用しています。

綿棒

分解

最初の難関、マウスの分解をしていきます。前処理としてマウス本体に傷が付かないように写真のように保護テープを貼ります。今回はポリイミドテープを使用しました。一般的なセロファンテープでも可です。

そして、隙間にオープニングツールを入れて内部で留まっている爪を外していきます。これが中々外れません。かなり力を入れる必要がありますので、マウスを破損させないように注意しましょう。
また、オープニングツールを使わずにマイナスドライバーや金属製のヘラを使用している方もおられますが、ほぼ確実に本体に傷が付くのでおすすめはできません。

左右で計4箇所の爪を外し終えたら、上部分は引っ張らず横にスライドさせて、テープで固定します。

基板を取り出すために、計4本のネジを外します。各ネジは穴の大きさやネジの長さが異なるため、どの部分にどのネジかを確認しましょう。

ネジを外したら、メイン基板を少し持ち上げながらスイッチがはんだ付けされている基板を取り出します。

最初の難関はクリアしました。しかし、まだまだ難所は続きます…

はんだ作業

続いての難関、「スイッチの取り外し」をしていきます。
まずランドの一箇所が絶縁フィルムに覆われているので、カッターを使って剥がします。

剥がし終えたらランドのはんだを溶かしてスイッチを取り出すのですが、この基板は熱伝導率が高くて中々はんだが溶けません。はんだごての温度を高め(370℃~420℃)に設定して、低融点はんだやはんだ吸い取り線を駆使して頑張ってスイッチを外しましょう。

スイッチを取り出す際に、写真の赤丸部分の部品を破損させないように気を付けましょう。この部品が取れたり、故障したりするとマウスが正常に動作しなくなります。

無事にスイッチを取り出すことができたら、ランド周りのクリーニングをしていきます。はんだ吸い取り線やIPAを使って、残っているはんだや汚れを取り除きましょう。

いよいよ静音スイッチを取り付けていきます。
はんだ付けする前に静音スイッチの足を短くする必要があります。そうしないと基板を本体に収めることができません。
基板のランドにスイッチを挿入し、ニッパーを使って基板から出ているスイッチの足を切断します。

はんだ付けする前に静音スイッチを取り付ける場所が正しいかを確認しましょう。

続いて静音スイッチをはんだ付けしていきます。そしてここが、最後の難関です。
はんだの量は最小限にして、ランドから盛り上がらないようにしなくてはなりません。理由ははんだが盛り上がっていると基板に収めることができなくなるからです。
先述の通り、この基板は熱伝導率が高くてはんだの熱が逃げやすいので、はんだごての温度を高めにセットしてはんだ付けを行い、盛りすぎたらはんだ吸い取り線で少しずつはんだを減らしていきましょう。

写真のような状態が理想的です。

無事に静音スイッチをはんだ付けすることができたら、仕上げにランドにポリイミドテープを貼って絶縁処理をして完成です。お疲れ様でした。

組み立て時の注意点

  • 基板を固定するネジは穴の形や長さが異なるので、ネジを使う場所を間違えないようにしましょう。
  • マウスの上半分と下半分の爪が入らない場合はシリコングリスを使ってみましょう。

FAQ

Q
交換したスイッチが反応しない
A

スイッチの横にある小さな部品が取れていたり破損したりしていないでしょうか。また、スイッチのランドの絶縁処理は施されているでしょうか。

Q
静音スイッチを押した感触が右と左で全く違う
A

静音スイッチが斜めにはんだ付けされている可能性があります。

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